ものごとがうまくいく時期は、どうして長続きしないのだろう。
人間、何十年か生きていると、
バイオリズムがいいとか悪いとか、
感じられるようになりますよね。
何をやってもうまくいく、
必要なものが苦労せずに手に入る、
人にモテる、上司に評価される、
憧れていたような人と知り合うチャンスができたりする・・・
そして、気分も上がって、さらに上昇スパイラルに乗れるような、
「ワクワク感」がずっと続いていくような、
いわゆる「イケイケな時期」。
反対に、何をやってもうまくいかず、
気分は落ち込みがちで、やる気がでず、
人からは評価されず、生活は乱れがち、
そして、自己評価も低くなって、さらにやる気をなくしてドツボにはまるような、
いわば「ダメダメ期」。
振り返ってみると、あの対極的な「イケイケな自分」と「ダメダメな自分」、
本当に同じ自分なのだろうか!?と疑うほど、
別の人生を生きているかのように思う。
だけど、今まで来た道を振り返ってみると、
そんな「イケイケ期」も「ダメダメ期」も、
それほど長く続くわけではなかった。
いつの間にか、どちらの時期もフェイドアウトして、
「ニュートラルな自分」「比較的情緒の安定している自分」に
収束していったように思える。
「イケイケ期」に焦点を当てて考えてみると、
この時期には、アイデアもよくひらめくし、
迷わずに大胆に行動ができて、
他人からの支持も得やすい。
また、同時に複数のタスクを勧めることも容易で、
まるで自分がスーパーマンになったかのように思えたりする。
普段の自分がこなす何倍ものことを、次々と片付けていくこともできる。
そしてそれが小さな成功に結びついて、成果を得やすい時期だ。
もし、この「イケイケ期」が続いていけば、
自分は大きな成功を得て、ステップアップできるのではないだろうか。
なのに、なぜ自分はまだ成功していないのだろう?
と振り返ってみると、
おそらく、「イケイケ期」の自分には、
だんだん「傲慢な心」や「思い上がり」が芽生えたり、
人への感謝の心がなくなっていったのではないだろうか、と気が付いた。
いくらすべてのことがうまく回りだしたとしても、
それは自分ひとりの力によるものではない。
周囲の人たち、家族や友人、職場の同僚などの支えがあってのことだ。
イケイケ期には、得てして全能感に包まれがちだし、
人の話を聞くよりも、自分の説を披露したい衝動にかられることも多くなる。
もしも、ものごとがうまく回りだしたときに、
思い上がりを諫めて、周囲の人たちや宇宙への感謝の心を持ち続ければ、
天からの無限の恩寵を得られるのではないだろうか。
成功者というのは、「ワクワクした気分」を楽しみ、常に上昇を続けつつ、
一方で「うまくいっている自分」を
もうひとつ上の段から冷静に見つめて手綱をしめることができる、
そんな自制心を持った人なんじゃないだろうか。