私のルーツ(2) 十にして寺社に目覚める
小3で関東から大阪へ帰ってきて、
「ミキちゃん、かわいいじゃん♡」
「そうだよね!」の世界から一転、
「アホかいな」とか
「ババ踏みよった」とか言いながら
まあ適当にオモロイ毎日を送っていたわけです。
そんなある日、
わたくしは京都に出逢います。
わたくしは魂を打たれました・・・
金閣寺。なんてシブくて、美しいのだろう。
当時の金閣は、昭和の金箔張替前の、
うっすらと汚れた佇まいでした。
現在ある金ピカの金閣は、
1987年(昭和62年)に総額7億4千万円をかけて、
昭和の大修理、金箔の全面張り替えをした後の姿です。
1950年に放火により全焼し、5年後に再建された後、
私の見た1981年当時には、
すでに二層の屋根の下あたりは黒ずみ、
金色の壁面もその輝きを失いかけていたのです。
金閣の前面に広がる鏡湖池、
そこにも、今あるきらびやかで鮮やかな姿ではなく、
ぼんやりとすすけた姿を映していたのです。
だけどその、往年の輝きを失いかけた、
薄汚れてはかなげな、くすんだ鈍い金色の金閣こそが
私にとっては、
深遠な「わびさび」の世界への誘いだったのでありましょう。
そこからわたしの、今にいたる趣味の世界が始まりました。
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「出逢い:金閣とわたし」二層の金箔の黒ずみが、ちょうどよく見える一枚です
それで中学は迷わず京都の学校だけを受験しました。
それから10年余り、
大好きな神社仏閣がちりばめられた、
宝箱のような京都の街に、
大阪の北のほうの町から通うことになったのです。
「ミキちゃんの趣味って何??」
「えっ、寺参りやけど。」
大学時代にも、数は少ないながら、
寺参りフレンドは、いるといえばいました。
しかし時代はバブルの絶頂期。
華やかな女子高生・女子大生がもてはやされていたこの時代に、
<趣味:寺参り> な女が、一般男子にウケることは、あり得なかったのです。
となると、 狙え、ニッチ層!!!
そして、ここにきて
わたしの男の趣味なんかも、
小学校低学年からの
「オンリーワン戦略」を踏襲していくのであります。
そういえば、大学当時つきあっていた、
ちょっと破天荒でワルぶった、超ロマンチストの哲学系男子など、
今は五山の僧籍に入っていると、風の便りに聞いたのよね。
めっちゃ ニッチ層いけてるやん。
当時のあたし。
五山の二位、相国寺の塔頭ですね。
ぼんさんになった件のお方も、
ひょっとするとそのうち、
どこぞの管長さんなんかになってはるやもしれませんなあ。
楽しみにしておきまひょ。
すんません。「永平寺別院長谷寺」さんより勝手に拝借♡ え、宗派違う?まあええやんか。