遊戯三昧  (ゆげざんまい)

思いのまま。何ものにもとらわれず。いま、ここに、あることに没入すれば、またたのし。

私のルーツ(2) 十にして寺社に目覚める

小3で関東から大阪へ帰ってきて、

「ミキちゃん、かわいいじゃん♡」

「そうだよね!」の世界から一転、

「アホかいな」とか

「ババ踏みよった」とか言いながら

まあ適当にオモロイ毎日を送っていたわけです。

 

そんなある日、

わたくしは京都に出逢います。

鹿苑寺金閣に子供会の遠足で初めて行ったのです。

わたくしは魂を打たれました・・・

金閣寺。なんてシブくて、美しいのだろう。

 

当時の金閣は、昭和の金箔張替前の、

うっすらと汚れた佇まいでした。

現在ある金ピカの金閣は、

1987年(昭和62年)に総額7億4千万円をかけて、

昭和の大修理、金箔の全面張り替えをした後の姿です。

 

1950年に放火により全焼し、5年後に再建された後、

私の見た1981年当時には、

すでに二層の屋根の下あたりは黒ずみ、

金色の壁面もその輝きを失いかけていたのです。

 

 

f:id:mantaray888:20160211234621j:plain

 

金閣の前面に広がる鏡湖池、

そこにも、今あるきらびやかで鮮やかな姿ではなく、

ぼんやりとすすけた姿を映していたのです。

 

だけどその、往年の輝きを失いかけた、

薄汚れてはかなげな、くすんだ鈍い金色の金閣こそが

私にとっては、

深遠な「わびさび」の世界への誘いだったのでありましょう。

 

そこからわたしの、今にいたる趣味の世界が始まりました。

 

<< 趣味:寺参り >>

 

f:id:mantaray888:20160211235930p:plain

「出逢い:金閣とわたし」二層の金箔の黒ずみが、ちょうどよく見える一枚です

 

 

それで中学は迷わず京都の学校だけを受験しました。

それから10年余り、

大好きな神社仏閣がちりばめられた、

宝箱のような京都の街に、

大阪の北のほうの町から通うことになったのです。

 

「ミキちゃんの趣味って何??」

「えっ、寺参りやけど。」

大学時代にも、数は少ないながら、

寺参りフレンドは、いるといえばいました。

 

しかし時代はバブルの絶頂期。

華やかな女子高生・女子大生がもてはやされていたこの時代に、

<趣味:寺参り> な女が、一般男子にウケることは、あり得なかったのです。

 

となると、 狙え、ニッチ層!!!

 

そして、ここにきて

わたしの男の趣味なんかも、

小学校低学年からの

「オンリーワン戦略」を踏襲していくのであります。

 

そういえば、大学当時つきあっていた、

ちょっと破天荒でワルぶった、超ロマンチストの哲学系男子など、

今は五山の僧籍に入っていると、風の便りに聞いたのよね。

 

めっちゃ ニッチ層いけてるやん。

当時のあたし。

 

そういや、鹿苑寺金閣銀閣寺も、

五山の二位、相国寺の塔頭ですね。

ぼんさんになった件のお方も、

ひょっとするとそのうち、

どこぞの管長さんなんかになってはるやもしれませんなあ。

楽しみにしておきまひょ。

 

 

f:id:mantaray888:20160212001556p:plain

すんません。「永平寺別院長谷寺」さんより勝手に拝借♡ え、宗派違う?まあええやんか。