この世にひとつだけの富士とわたし(1)セルフイメージの話
富士山を見に、静岡で途中下車して
一泊してきました。
土曜はひどい雨だったけど、
日曜はカラッと日本晴れ。
天女の羽衣で有名な
三保の松原からの眺めもこのとおり。
山頂にかかっていた雲が消え、
右手に龍が現れました。
暖かい日差しにぽかぽか照らされながら、
「天におまかせ」の気分で流木に座って、
子どもとぼーっとしていたら、
ちょうど30分間ほどだけ、
富士が完璧な姿を見せてくれたのです。
「富士」の語源については
諸説あるようですが、
こうしてこの美しい山を
目の当たりにすると、
「不二」= ふたつとない、
という意味合いがもっとも自然なのではないかと思えてきました。
初めて富士を目にしたとき、
あまりの雄大さと美しさに息をのみ、
「なぜこのように美しい山が
日本一の山なのか。」と
心底感動を覚えたものです。
だって、日本アルプスには
多くの3000m級の山々があり、
そのうちのひとつが、
日本一の標高であっても
不思議ではないとも思ったのです。
「世界に誇る名峰にして日本最高峰、
これぞ「不二」! と
絶賛感動中なわけなんですが、
「 不二」=ふたつとない、ということば、
別の言い方をすれば「世界にひとつだけ」、
そう、わたしも「オンリーワンでありたい」
「人と違った存在でいたい」と
小さな頃から思い、
そして東京・京都間を新幹線で行き来するたび、
富士が見えるかどうか、一喜一憂しながら、
その存在に憧れてきたのかなあ、
と思い当たったりするわけです。
(つづく)